【日商簿記1級】リースとレンタルの違いは何か?優しく解説!
この記事ではリースとレンタルの違いって何?
そんな疑問を持った方に向けて、分かりやすく違いを解説しています!
会計上のリースとレンタルの違いはほとんど無い
まず結論から言えば、
会計上の「リース」と「レンタル」に違いは殆どない
というのが回答になります。
理由は以下の2つです!
- 会計基準や適用指針において「レンタル」はなにか?が定義されていない
- 法的形式がレンタルであっても、リース取引に該当することがある
(▼「リース」に関する定義はありますが、「レンタル」の定義は記載が無いんですね▼)
「リース」とは、原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分をいう。
リースに関する会計基準
一応、リースとレンタルの一般的な違いをまとめるとこんな感じになります
リース会計基準の目的は?
リース基準の目的を一言で言うなら、「意図的な資産・負債のオフバランスを辞めさせる」
ということを目的としています。
「一見すると他人の資産を借りているだけに見えるけど、実態は自分でお金を借りて資産を買った状態と同じじゃないか?」
と、考えられるなら資産計上しなさいってことやね
ポイント①:実質的にリースする資産を保有していると言えるか?
1つ目のポイントは、
対象となる資産を借りる期間が短いのか?
それとも、長期間借りる予定なのか?
ということです。
これは、リース会計の目的とするところが、
実質的に資産を保有(購入)している状況と変わらないのであれば、
通常の売買取引として会計処理させる
ということから、考えられる違いとなります。
具体的には、
- 対象となる資産がボロボロになるくらい長く借りる→経済的実態は自社が資産を購入した場合と同様
- 1日~数週間程度の短い期間借りる→経済的実態は賃貸借契約と言える
「レンタカー」と「カーリース」の違いをイメージするといいかも!
ポイント②: リースの解約が実質的に不可能か?
2つ目のポイントは、
借りた資産にかかる、将来の利用料の支払いが確定しているか否かにあります。
「レンタカー」と「カーリース」を例にしてみます。
「レンタカー」は、短期間の利用が想定されます。
(例えば、出張先で必要になった場合など)
長くても1週間ほどでしょうか。
レンタルの場合は、必要な期間だけ借りて、
その期間のレンタル料を支払います。
一方で、タクシー会社などで車をリースしている場合は、
契約期間が長期間(年単位)の場合が考えられます。
このような場合、将来車を利用することに対する費用(リース料)の支払い義務が発生します。
ここで、会計基準を確認してみましょう
会計上の情報開示の観点からは、ファイナンス・リース取引については、借手において資産及び負債を認識する必要性がある。特に、いわゆるレンタルと異なり、使用の有無にかかわらず借手はリース料の支払義務を負い、キャッシュ・フローは固定されているため、借手は債務を計上すべきである。
「リース取引に関する会計基準」企業会計基準委員会HPより引用
上記の記述を読むと、
リースは将来にわたって、資産の利用に伴う料金の支払が確定しているもの。
レンタルは、リースの裏返しで、
資産の利用から発生する費用の支払が不確定であるものということが分かります
(支払が不確定といよりは、資産の利用予定が分からないので、レンタル料の支払も不確定という感じですね)
通常、借りる期間が短いレンタルは、
資産を借りたタイミングでレンタル料払ったら終わりですからね
注意点!
リース会計基準等では、
会社が行っている取引が、リース取引の定義を満たすのであれば、リース取引として会計処理をすることに注意です!
契約書上で「レンタル契約」となっていたとしても、
その取引の実態がリースの定義に該当するならば、
リース取引として処理する必要があるということです。
なお、リース会計基準におけるリース取引の定義を満たすものについては、リース契約、レンタル契約、賃貸借契約などの名称に関わらず、本適用指針を適用する上で、リース取引として取り扱われることに留意する必要がある。
「リース取引に関する会計基準の適用指針」企業会計基準委員会HPより引用
最後に
ここまで読んで頂きありがとうございます
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