【簿記2級受験生向け】事例で学ぶ!分かりやすい連結会計①
この記事では、実際の事例を用いて、
分かりやすく連結会計が学べるようになっています。
簿記3級程度の知識がある人向けの記事になっています
ちなみに!
私も簿記を勉強し始めた頃は、
「連結会計」と聞くだけで身構えてしまいました。。。
必要以上に難しいものと思い込んで、勝手に苦手意識を持っていました。
受験簿記という意味では、難しい論点ではないので安心してください!
早速ですが、以下の表をご覧ください。
財務数値 | 連結(2023年3月期) | 単体(2023年3月期) |
---|---|---|
総資産 | 74.30兆円 | 23.23兆円 |
売上(営業収益) | 37.15兆円 | 14.08兆円 |
純利益 | 2.49兆円 | 2.94兆円 |
左の表と右の表を比べると、
左側の数値の方が大きい数字になってますよね?
(純利益は単体の方が大きいですが。。。)
実は左側の表は、
トヨタ自動車(連結)の2023年3月期の決算数値
右側の表は、
トヨタ自動車(単体)の2023年3月期の決算数値
なんですよ。
2つの表の数値の違いなんですけれども、
連結の数値(左の表)には
「子会社の資産・負債・収益・費用」
が含まれているという点なんですね
子会社を含む連結企業全体の数値なんだね!
一方で、単体の数値(右の表)には、
トヨタ自動車株式会社のみの「資産・負債・収益・費用」が含まれています。
ここまでは、「ふーん。。。」という感じだと思いますが、
ここからが大事なので、集中してくださいね!
まず、理解して欲しいのは、
子会社の経営成績は、親会社の経営成績に重大な影響を与えるという事です。
簿記3級の時にやりましたよね?
株主は出資した額を上限として、損失を被る必要があります。
(「間接有限責任」と言います。思い出しましたか?)
親会社による子会社の支配は、株式の保有を通じて行われますから、
子会社の経営成績が悪いと、子会社の株主である親会社が最終的に損を被ることになります。
つまり!子会社の今の経営状況が知りたいから、
連結財務諸表(子会社の財務数値を含む)を作る必要があるんですよね
(子会社の経営成績が悪い場合に、親会社が最終的に損を被るという意味については、
以下の記事で詳しく解説しています。)
連結財務諸表について理解を深めよう!
ここまでで、子会社と親会社の財務数値を合算した、
「連結財務諸表」を作成する必要性については、理解して頂けたかと思います。
ここからは、もう少し理解を深めるために、
先ほどの数値を用いて、連結財務諸表を作成しないとまずい理由を探してみましょう!
以下の数値を見て、「連結財務諸表がないと分からないな。。。」という点を探してみよう!
財務数値 | 連結(2023年3月期) | 単体(2023年3月期) |
---|---|---|
総資産 | 74.30兆円 | 23.23兆円 |
売上(営業収益) | 37.15兆円 | 14.08兆円 |
純利益 | 2.49兆円 | 2.94兆円 |
- 答え(タップすると開くよ!)
-
- グループ全体の資産規模が分からない
- グループ全体の売上規模が分からない
- 企業の本当の利益率が分からない
パッと思い浮かぶのはこのくらいでしょうか?
規模について
「総資産」と「売上高」については、
連結と単体の数値の差は2~3倍くらいありますよね
連結財務諸表が作成されていない場合、
企業グループ全体の規模感が分からないという問題があります。
(総資産も売上も1/3に減ったら、かなり印象が変わりますよね?)
利益率について
連結と単体で金額があまり変わっていないのが、
純利益でしたね
実は、これも連結と単体で見え方が随分と変わるんですよ。
どう見えるかというと、
単体の方が効率よくお金を稼いでいるように見えるんです。
ん、どういうことだ?
同じ金額の利益を稼ぐとしても、より少ない資産で稼ぐ場合、
効率が良いと言えるんです。
まとめ
第1回目は連結会計の必要性、
つまり、そもそもなんで連結会計が必要になるのかということを説明してきました。
簡単にまとめると、
- 投資家は子会社を含む企業グループ全体の経営状況を知りたいから
- 連結と単体では会社の見え方が変わるため、連結・単体両方の開示が有用であるため