【合格体験】日商簿記1級に合格するメリット3つ
「日商簿記1級」は合格するのが大変なことで有名資格ですが、
せっかく合格してもメリットがあまりないならガッカリですよね。。。
そこで!
この記事では、簿記1級には難易度に見合ったリターンがあるのか?
という点について、
私の体験をもとに解説していきたいと思います!
【就職】日商簿記1級は上場企業からの評価はとても高い
日商簿記1級の資格を持っていることは、
就職において圧倒的に有利です!
特に、上場しているような有名企業の経理への就職には強いです
これは揺るがない事実だと思って頂いて問題ないです
なぜこのように断言できるのか?
その理由は以下の2つです。
- 資格の希少価値
- 需要面からみる簿記1級合格者の必要性
1つずつ解説しますね
1級合格者は希少価値が高い
日商簿記1級の試験は年2回行われます
各回の合格者はおよそ1,000人前後で推移しており、
年間では約2,000人の合格者がいます
【日商1級受験者に関するデータ】
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
162(2022.11.20) | 12,286名 | 9,828名 | 1,027名 | 10.4% |
161(2022.6.12) | 11,002名 | 8,918名 | 902名 | 10.1% |
159(2021.11.21) | 11,389名 | 9,194名 | 935名 | 10.2% |
158(2021.6.13) | 9,310名 | 7,594名 | 746名 | 9.8% |
157(2021.2.28) | 7,785名 | 6,351名 | 502名 | 7.9% |
156(2020.11.15) | 10,078名 | 8,553名 | 1,158名 | 13.5% |
全国で2,000人しか簿記1級合格者がいないため、
資格を保有していることは、他の就活生と差別化に繋がると言えます
年間の簿記受験者数(2,3級含む)が20万人近いことを考えると、
簿記1級は希少価値があることがわかりますね!
純粋な簿記1級受験生は少ないという事実
少し本題からそれてしまいますが、
簿記1級受験者と合格者の属性
つまり
どんな人が簿記1級という難関資格を受験し、合格していくのか
というお話をさせて頂ければと思います
実は、簿記1級受験者/合格者の中には会計士試験受験生が紛れています。
私も大学生の時に簿記1級の講座を大原で受講していましたが
結構な人数の会計士受験クラスの生徒が1級の試験を受けていたと記憶しています
試験慣れのために受験している方が多かった印象です
そして、結構な人数が合格をしているので合格者に占める、
会計士受験生の割合もそこそこ高いことが推測されます
これが一体何に関係あるのでしょうか?
簿記1級合格者の意外な進路について
ポイントとなるのが、
会計士受験生の大半は会計士試験合格後に監査法人に就職するということです
彼らは一般事業会社への就職を考えている就活生にとってライバルになりません
会計士の人達は監査法人に就職するから、
簿記1級を保有している、就活生の数はもっと少ないんだね!
従って、就職市場における簿記1級保有者の価値は高まると言って良さそうです
需要面から見ても簿記1級合格者の価値は高い
需要面からも簿記1級保有者の価値は高いということが言えそうです
以下のグラフをご覧ください
上記のグラフは東京証券取引所に上場している企業数の推移です
グラフを見ると右肩上がりに増加していることが分かります
上場している企業数が簿記1級の価値とどのような関係があるのでしょうか?
詳しく説明していきますね
日本で上場している企業は金融商品取引法24条1項1号で有価証券報告書の作成が義務付けられています
この有価証券報告書の作成がとってもとっても大変なんです。。
そして、作成がとても難しいのです。。
ご参考までに「トヨタ自動車株式会社」の有価証券報告書をご覧ください
見て頂くのは96ページ以降の以下の4表のみでいいかと思います
- 連結財政状態計算書
- 連結損益計算書及び連結包括利益計算書
- 連結持分変動計算書
- 連結キャッシュ・フロー計算書
どうでしょうか?
少し見ただけでも高度な知識が必要であることがお分かり頂けたかと思います
企業によって作成難易度に多少の差はありますが、基本的には高度な知識が必要とされます
そのため、簿記の知識・経理の実務を理解している人材を可能な限り採用したい!
企業がこのように思っている可能性は高いです
上場会社の株主総会において
バックオフィス強化のために採用活動に力を入れていくことを表明している企業も散見されます。
これは適正な財務報告のために、経理機能を強化することはとても大事だと企業が認識しているためです。
上場企業数が増加すると簿記1級合格者の需要も増える
有価証券報告書の作成義務のある上場企業は今後も増加が見込まれます
そのため、高度な簿記の会計の知識を有するとされる簿記1級合格者の需要は今後も高まる事が想定されると考えられます
少し余談になりますが
なぜ今後も上場企業数が増えるといえるのでしょうか?
それは足元のIPO直前の企業数が増加しているためです
証券取引所で自社の株式を取引できるようにすること(新規株式公開ともいいます)
いわゆる上場企業になるってことですね!
しかし、現状はマーケット環境の悪化や監査法人の人手不足の影響などにより
実際のIPO件数自体は、顕著な増加傾向とはなっていませんが。。
新規上場企業数>上場廃止企業数
という関係は継続しているため
今後も上場企業の数は増加すると言っても問題はなさそうです
【合格者特典】簿記1級合格者は税理士試験の受験資格が得られる
これも簿記1級取得を目指すメリットと言えるでしょう
簿記1級の合格者は難関国家資格である税理士試験への受験が認められます
国税庁の税理士試験の受験案内を見ると
確かに、主な受験資格要件として
「日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者」
という記載がされていることが確認できます
令和5年度の税理士試験(第73回)から
会計学に属する試験科目(簿記論・財務諸表論)については、受験資格の制限がなくなるため、誰でも受験できます。それ以外の科目は従来どおり簿記1級合格などの要件を満たす必要があります
簿記1級を取得したら自信がついて会計士試験に挑戦出来るようになる
これは実際に私が経験したお話になりますが
簿記1級に受かると、圧倒的な自信がつきます!
「純粋な簿記1級受験生は少ないという事実」で記載している通り、簿記1級合格者の中には、
会計士受験生や税理士受験生もそれなりに混ざっています
その中で合格したわけですから、
ん?これは、自分も会計士試験合格できる?!
私は楽観的な性格ということもあって
会計士試験に挑戦しましたが、、
結果的に合格しています🌸
1番のメリットは自信がつくこと
多くの人が、いきなり会計士試験や税理士試験に挑戦するのはハードルが高いと思います
その前段階として簿記1級を取得すると、上記のような難関資格への挑戦の現実味が得られますし
仮に、それ以上を目指さないとしても、就活などで有利になることを踏まえると
1級に挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか
予備校の費用が安くなる
実は、合格するともう1ついいことがあります
簿記1級に合格していると、会計士講座の費用が割引されます
また、明確に「簿記1級合格者は割引!」と書かれていなくても、
予備校に受講講座の相談をすると、「簿記1級持ってるなら、上級コースでもいいかもね🤔」
と、お値段の安い講座の受講も可能になります!
割引金額等については各予備校の資料にて確認くださいな
いかがでしたでしょうか、これから資格取得に向けて努力する皆さんのモチベーションとなっていれば幸いです。
最後に
ここまで閲覧頂きありがとうございます
簿記1級を取得することのメリットを感じて頂けたと思います
経済が複雑・高度化するのに伴い会計実務も複雑・高度化していきます
こうした環境において、簿記1級合格者の価値が高くなることは間違いないと私は考えています
取得する事が難しい資格ではありますが、それに見合うリターンもしっかりありますので
簿記1級の取得を目指している方は、安心して勉強に取り組んで頂ければと思います